カテゴリ:旅行記

9.11とアラスカ旅行(2)

by

2001年9月11日。 少し時間をさかのぼる。
関西国際空港から韓国・インチョンに渡り、夕刻大韓航空に乗り替えて出発した我々が真夜中の時間帯に、ニューヨークで同時多発テロは起こっていた。(ニューヨーク午前9時、アンカレッジ午前5時頃、日本時間で午後10時頃)

「同じ時間帯に日本から出発した米国行き国際便は太平洋上で引き返した」と聞くのは帰国してからである。 続きを読む



9.11とアラスカ旅行(1)

by ハッチョ 

信じられない!

予定を変更して飛行機は、カナダの「ホワイト・ホース」という片田舎の空港に着陸した。 高校の先輩後輩の中年男女9名による5泊6日のアラスカ旅行は、思わぬ形で幕を開けてしまった。 続きを読む



ネパールの遊覧飛行機墜落

by ハッチョ

その昔八幡浜高校の登山部であった生徒達が、恩師の定年退職を機に再び恩師を引っ張りだして時々旅行を楽しんでいるのだが、以前ヒマラヤ山脈観光にネパールへ行った。

先日そのネパールで遊覧飛行機が墜落したというニュース。
写真を見ると飛行機に「ブッダエアー」の文字。我々が乗った飛行機会社のものでした。

カトマンズからエベレスト(ネパール名「サガルマータ」、中国名「チョモランマ」)の間近まで飛ぶ。エベレストがよく見えるようコクピットの中まで入らしてくれ、我々は大歓声をあげて喜んだものだった。

素晴らしい旅行が暗転した犠牲者の方々、心よりお悔やみを申し上げます。
でもネパールは本当にいい思い出。今回の事故があっても「もう一度言ってみたい国は?」と聞かれたらまず一番にネパールの名を挙げます。



ドロー(4)

by ハッチョ

相手の手札を見てニーノの動きが止まった。

ニーノの顔は良く見えないが相手の顔つきからすると、
どう見ても彼の”引き分け”かそれ以上ではないのか?

しかしニーノも只者ではない。動じる気配はない。
ギャッと言わない、立ち上がらない、敬礼もしない。
何事もなかったようになにやら楽しそうに話している。

ここからは私達の想像である。

どうやら二人で、微妙な優劣を競うために穏やかに談笑しているのだ。
滅多にない階級証同士の優雅な闘争の後、
ニーノが得意の英語で五分五分かそれ以上に持ち込んだのだと思う。
ニーノが立ち上がり笑顔で握手をして別れる。

トッチャンと私は何も言わない。ニーノも言わない。

そりゃあそうだ。
どちらも”ギャッといって立ち上がり敬礼する”事はなかった。
引き分け、ドローである。
つまりこのいたずらは不成立。何も起こらなかったのである。

フィリッピンのビール・サンミゲールはことのほか美味いのだが、
あの時だけはニーノには少しほろ苦い味がしていたのか・・・・・?

いや、底抜け・そこのけ「ニーノ」に限ってそんなことはありえない。
こんなことでめげるタマではないのだ。痩せても彼も一匹狼の旅行者社長。
サアー!次のお楽しみと行こうじゃないか。


ドロー(3)

by ハッチョ

ニーノが彼のテーブルに行き腰を掛けて話し始めた。

残された私とトッチャンは小さな声で、
「何やあれ?」
「ニーノのオッチャンも妙な物持っとるな」
「夜店で買うたんとちゃうか?」

二人はビールを舐めながら横目で成り行きを見守っている。
ついにニーノが例の物を取出した。何を話しているかは判らない。
どうせ英語だから隣のテーブルにいても判らない。

やおらニーノは、ポーカーゲームで勝ちを確信したギャンブラーが自分の手札を見せる時のように、
ゆっくりと彼の前に自分の階級証を開けて置いた。

その途端、相手は”ギャッ”といって立ち上がりニーノに敬礼する、
ことを我々はホンの少しだけ期待していた。

ニーノの手札を見た相手は、立ち上がった。
しかし立ち上がるには立ち上がったが不敵な笑みを浮かべている。
何か変だ。
そして、おもむろにズボンの後ろポケットから札入れを取り出した。
ゆっくりと座りなおして札入れの中の自分の手札を開帳した。

なんと彼も同じような階級証を持っていたのだ。

一瞬ニーノの動きが止まる。
私とトッチャンは噴きだしそうになったビールを懸命にこらえた。(続く)



ドロー(2)

by ハッチョ

「あんたらにええもん見せてやるわ」

「わしは実はフィリッピン軍の仕官なんや」(????)
といって見せてくれたのはどうやら軍人の階級証のようなものらしい。
なんで日本人のニーノがフィリッピン軍人なんだ? 日本人じゃなかったのか?

ニーノには謎が多い。「謎の日本人(フィリピン人?)」ニーノ。
怪傑ハリマオみたいだ。
(「怪傑ハリマオ」を知っている人は、団塊世代と呼ばれる世代である)

「もっと下の階級の奴は結構多いんやけど、わしほどの階級の者は滅多におらん。」

「これを見せたら、たいていの奴は”ギャッ”と言うて敬礼しよるわ。」

「ちょっとさっきの奴に見せて”ギャッ”と言わしてくるわ」

この旅行で、グループで唯一の独身者トッチャンに15歳の嫁さんを世話しようとしたニーノ。
底抜けに、親切でサービス精神旺盛で働き者のニーノは、トッチャンに嫁を世話しただけではまだ足りないと思ったのか、再度いたずらを仕掛けに行った。

どうやら件のイケメンフィリピーノが”ギャッと言ってニーノに最敬礼する姿”を見せたいようだ。(続く)



ドロー

by ハッチョ

その昔、高校の登山部だった生徒達と恩師がフィリッピンへ旅行に行きました。

大阪で旅行会社を営む最年長のニーノが、
「世界には美しいところが山ほどある。
僕は君らにその美しい風景を見せてやりたいんや」
精力有り余るニーノが発案したありがたい計画で始まった旅行会の時のお話。

旅先フィリッピンはニーノの庭のような「第二の故郷」とでもいうべき国。
「ニーノ」という名前も現地の人が彼を呼ぶときに使う愛称から来ています。

そこで、2こ上の先輩トッチャンとニーノと私の3人が、レストランの屋外テラスのような場所で、丸いテーブルを囲んでビールを飲んでいたときの出来事。

そこに、端正な顔立ちのフィリッピン人の男性が声を掛けてきた。
年の頃は我々と同じ位か。
どうやらニーノの顔見知りのようで、簡単な挨拶を交わして、その後少し離れたテーブルに一人で席についた。

「あんたらにええもん見せてやるわ」

ニーノが胸ポケットから日本の免許証入れくらいの、大きさも色・形も似ている、ごく薄い手帳のようなものを取り出した。 (続く)



ピックアップ

ピックアップ記事一覧へ

セミナー紹介

イベント紹介

リンク集