名なしの市民団体

 「住民投票をするにはまだまだ署名数が足りません。〇〇にて署名できますのでみなさんぜひ署名に来てください」
最近のことであるが、署名の目的も語らず主催者の名前もない不思議な街宣車がおらが町を走り回っている。随分と他人を馬鹿にしたやり方だがなんとなく想像はつく。

 昨日事務所に見知らぬ老年といっていい元気な女性が突然やってきた。
どうやら昔、母の代に当方で働いていたらしい。「懐かしくてちょっと覗かせてもらったのよ」と言いながらわたしの母は元気かと尋ねる。
「ああそうですか。それはありがとうございます」
母は寝たきりででもう話も出来ないことを伝え感謝の言葉を伝えた。

するとそんなことには全く興味はなかったのだろう、急に砕けた調子で
「ちょっと頼みがあるんやけど、事務所の人みなで原発反対の署名してや」

ははあ、なるほど。そういうことでしたが。
「お断りします」
名前も名乗らずにがなり立てる街宣車に少々反発を感じていたのと、余計な昔話をだしにする厚かましさに気がめいり、それが理由ではないのだが、私ははっきりとお断りした。

「津波が来て原発に事故が起きたらみな死ぬがで」
自分の意見に確信を持っているのだろう、怪訝そうな顔で凄いことをサラッと言う。

東北大震災で津波で多数の死者がでているが、直接原発の事故で死亡した人がいるとは聞いていない。もしいるとすればあの現場で陣頭指揮にあたって過労死した吉田所長だけだろう。

「原発でなければならない」などとは思わないが、「今ある原発を全て止めて廃止する」などという菅直人元首相ばりの意見に賛成するわけはいかない。
あの方は「私が浜岡原発をとめました」といって想像力不足のご本人もびっくりの「国内の原発全停止」という事態を引き起こした張本人。その自分の失敗を糊塗するための反原発。

「発電燃料輸入代金が一日100億円。これだけの費用はもっと有効に利用しなければなりません」
とまあ金の問題にして「わたしは署名しませんので」といってお引き取りいただいた。

それから5分ほど事務所の前の道路で、同年配の女性のお仲間3人と声高におしゃべりをしている。きっと私の悪口でも言っているのだろう。5分かもう少し長かったか、まあかまびすしいもんである。

あとの話だが、「この事務所は頼まれて署名したよ」という家内の話にガクッときた。

安保法案を『戦争法案』と言い換え、「津波が来たら原発が事故を起こして全員死ぬ」というような決めつけをする『名もなき』市民活動家のみなさん。まあここでは地元の人だから仕方がないのだが、自分たちの地元でもない沖縄まで出かけて「地元の意見を聞け」などという『キチ(ガイ)反対運動』などなさらぬようにお願いしたい。


 今年10月、地元の中高生の提案を受けたNPO法人の主催で行われた、福島県の沿岸部の6号国道での清掃活動に対し、
「若者を殺す行為」「美談にすり替えた子供への虐待」「狂気の沙汰だ」-。中には、主催団体の関係者に危害を加えることをほのめかしたものまで、10月末までに、こうした誹謗中傷のメールなどは、1千件にも上ったという。(産経ニュース)

『善意の人たちの暴走』が日本で猛威を振るう。
戦後日本に植えつけられたのは『自虐』どころではない『他虐』のようである。

コメント

コメント(3)

  1. ろうじん

    署名運動も戸別訪問を禁止して、路上での活動だけにして欲しいです。

    個人情報保護法にはひっかからないのでしょうかね?

    返信
  2. 一般人

    1日発電燃料代金100億にしても、ちゃんと国民は電気使用量払ってる訳で、経営は成り立ち利益も有り、職員も給与の延滞も無く、いけてる訳ですが、今ある原発を依り多方面から安全確認し、安全が担保出来ない物は廃炉し、検査合格した原発は可動、

    パンドラの箱を開けた以上、廃炉にしろ稼働にしろどちらもリスクは伴うが、

    返信
  3. KEI

    安全対策を研究するにも廃炉にするためにもお金はかかります。
    そのためには原発を稼働させておいた方が効果的なのは簡単な算数です

    再生エネルギーの買取り制度は政商ソフトバンクと菅直人の三国人同盟です。原発事故のあと根本的対策も検討せず、拙速に再生エネルギー法案を取り入れた彼らは守銭奴です。
    さすがにやばさに気づいた孫正義は自重しています。
    電気料金はうなぎのぼりで年間3兆以上の外貨が煙となって消えます

    返信

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