9.11とアラスカ旅行(1)

by ハッチョ 

信じられない!

予定を変更して飛行機は、カナダの「ホワイト・ホース」という片田舎の空港に着陸した。 高校の先輩後輩の中年男女9名による5泊6日のアラスカ旅行は、思わぬ形で幕を開けてしまった。

我々の乗った大韓航空機はアンカレジで着陸するはずだ。 しかし大韓航空のジャンボジェットはアンカレジ上空で着陸する様子もなく飛び続け、約30分後、普段国際便など着陸しないカナダの小さな空港によたよたと着陸した。

「パスポート以外の荷物は機内に残すように」
機長のアナウンスに、訳も判らず乗客全員、ほとんど着のみ着のままで出口へと向かう。
タラップの上に立ち、何もない田舎の空港を見回す間もなく、異様な光景が目に飛び込んでくる。

自動小銃だ! 自動小銃を構えた真っ黒い軍服の兵士が、タラップを降りるほとんどがアジア人の乗客に目を光らせている。

「一体何が起こっているのだろう?」我々は何も知らされていない。

やがて、公会堂のようなところに集められた我々は、初めてテレビ画面の中のあの映像を見たのだ。

ツインタワーに飛行機が激突する信じられない映像に誰もが息をのむ。
さらに噴煙を上げながら粉々に崩れ落ちてゆく超高層ビル。想像を超える事態を目の当たりにし、乗客の口からは恐怖の悲鳴が上がる。

我々は運悪く、あの騒乱の”9.11”の日にアメリカに (正確にはカナダ) に着いた。

コメント

コメント(1)

  1. まだ30代適齢期女子

    たしか私が中学生の頃に、ニューヨーク発アンカレッジ経由韓国金浦空港行きの大韓航空のジャンボ旅客機が、当時のソビエト連邦の領空を侵犯して、ソ連防空軍の戦闘機により撃墜された事件を思い出してしまいました。

    なんとハッチョさん達はよりにもよって“9.11の日”にアメリカに到着する飛行機に乗ってしまったものですよねー。

    “自動小銃を構えた真っ黒い軍服の兵士”さぞかし恐ろしかったのでは?

    続きの【9.11とアラスカ旅行(2)】楽しみですよー。

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