棋戦「電王戦」 人間の負け

将棋の電王戦。
コンピューターとプロ棋士の団体戦でコンピューターの圧勝。
成績はコンピューターの3勝1敗1分。その内容は圧勝といってもいい。

人間の能力を補うための機械・マシンが人間の能力を超えているのはある意味当然のことなのだが、クリエイティブな分野で人間の能力を凌駕するとなるとちょっと考え込んでしまう。
人間より素晴らしい音楽を作曲したり奏でたりする機械や、人間より素晴らしい詩や文学を書くコンピューターが可能なのだろうか?

将棋の場合では、コンピューターの能力が飛躍的に向上したきっかけは「機械学習」と呼ばれる手法の導入だそうである。
勝負の形成を判断するのに「大量の棋譜から自動的に学ぶシステム」で、これにより精度の高い形勢判断を獲得したという。

もともと詰将棋のように決まったゴールがあるものならしらみつぶしに駒を動かせばいずれ詰む。1秒間に何億回という演算処理ができるコンピューターは人間の能力をはるかに上回る。
問題は序盤・中盤という「コンピューターでも計算しきれない」手数と変化のある段階での「大局観」という、ある意味計算ではない「感性」の部分でコンピューターは人間に及ばなかった。

ところが今回の電王戦は、コンピューターは「機械学習」システムと大量のデータさえあれば「人間の感性」に近い能力を獲得できることが証明されたということである。

将棋には「棋譜」という「人間が残した」数値に置き換えやすい大量のデータがあり、それを開発者たちがコンピューターに理解できるようなデータに置き換えたことで「学習」が可能になった。そして人間を負かす「将棋ソフト」が生まれた。

 

ではその他の分野でコンピューターが「学習」する大量のデータはあるのか?
ある!ネットの世界には「膨大なデータが無造作にゴロゴロ転がっている。
それをコンピューターに解析できるような数値に置き換えるシステムを作ればあらゆる分野で人間以上の能力(感性)を持った「人間ソフト」が出来上がるはずだ。

おとぎ話でもなんでもない。もうすでにネット上の情報を利用する「ビッグデータ」の活用が始まった。
この行き着く先は、人間の関わるあらゆる分野で人間を超えるコンピューター:「人間ソフト」の登場である。

 

その時・・・我々「人間」の存在意義はあるのか?

いやその問いかけにさえも「人間ソフト」が答えを与えてくれるだろう。

ただしその答えが「YES」である保証はどこにもないのだが・・・・・。

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