BOXING パッキャオVsマルケス

マニー・パッキャオ対ファン・マヌエル・マルケス。
過去3度の対決でパッキャオの2勝1分け。
形の上ではパッキャオが圧勝ですがその内容たるやダウンを取られたマルケスが後半追い上げカウンターでパッキャオを苦しめるという展開で、きわどい判定の連続でした。

第3戦に至っては双方手の内を知り尽くしていて、互の長所を打ち消し合う試合運びで、実のところ「ああ、またか」という展開。

「名人同士がが死力を尽くして戦えばこんな試合にしかならないのだろう」とまで思って、「今回も似たような展開にしかならないだろうな」と勝手な予想をしていたのですが、結果は凄まじい打撃戦で、久々にボクシングの醍醐味を味あわせてくれる名勝負となりました。(動画あり)
過去の試合では先にダウンを奪ったパッキャオですが、この試合は第3Rにマルケスの意表をつく右のロングフックを受けもんどり売ってひっくり返りました。すぐ立ち上がったもののこれまでと逆の展開に会場は大騒ぎ。しかしもともとカウンター主体のマルケスは詰めきれませんでした。

4回も双方手は出すものの、マルケスが自重したのか徐々にパッキャオが回復します。
第5ラウンド。この回パッキャオが伝家の宝刀左ストレーをうマルケスの顎にヒット。一気に流れは逆転します。必死にカウンターを返すマルケスですが、完全にパッキャオのペースで終了。

第6ラウンド、マルケスの顔はパッキャオのパンチで赤く腫れ上がります。今回こそKO決着を望んでいる両選手にとって12ラウンド戦うつもりはなかったのでしょう。
チャンスとみたパッキャオはどんどん攻め立てます。
「あと一発パッキャオの左パンチがまともにヒットすれば決着がつくだろう」誰もがそう思って大歓声です。必死にパンチを返すマルケスですがパッキャオの勢いにロープ際に追い詰められます。

ロープ際で後ろがないマルケスに、パッキャオは強引に踏み込んでパンチを放とうとしたその瞬間、パッキャオが突然前のめりに頭からキャンパスに倒れこみピクリとも動きません。

カウンターの天才マルケスの起死回生の右が、突っ込んでくるパッキャオの顎にものの見事に突き刺さったのです。
完全に失神したパッキャオ。こんなすごい試合・パンチ・ダウンシーンは滅多に見られるものではありません。

狂喜するマルケスですが、この勝利は天才同士の紙一重の「運の差」でしかないのでしょう。

剣の達人同士が相手の力量を知るからこそ、「肉を切らせて骨を断つ」パンチを繰り出し、瞬時に相手を切り落とした、まさにそういう試合でした。
「勝者と敗者」二人の立場が逆になっていても、誰もが納得したでしょう。

今年最高の試合に選ばれることは間違いなく、歴史に語り継がれる素晴らしい試合でした。

パッキャオの再起に期待します。39歳にしてパッキャオを破ったマルケスの凄さは認めますが、この試合を見て「パッキャオよりマルケスのほうが強い」と決め付けるボクシングファンはいないでしょう。

パッキャオの再起に期待します。そしてメイウェザーとぜひ対戦してもらいたいのですが、もし彼がこのままリングを去ったとしても、一ボクシングファンとして彼に対する賞賛は変わることはありません。彼は最高のボクサーです。

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