ゴッド・ハンド

「肩こるわ~」
ソファーでテレビを見ている私の横に、「ドサ!」っと倒れこむカミさん。
足で私を隅に追いやりながら横になり「フン!」

なにが「フン!」なのか?

これが猫なら「ゥニャ~」と猫なで声で身をよじりながら体をすり寄せてくるあれだ。
「腹が減った」か退屈しのぎに「かまってくれ」と甘えているのかどちらか。

猫なら可愛いがこっちの「フン!」は可愛いかと聞かれると微妙である。

「肩こるわ~。フン!」はカミさんの「指圧して~」のおねだりなのである。
世間の多くの亭主殿と同様、むげに断る勇気は私にはない。
(「俺は断る」という豪傑がいれば是非私に爪の垢でも送って欲しい)

こったカミさんの腰から背中・肩を見よう見まねで揉みほぐす。
カミさんは、それはそれは気持ちよさそうに「ア、ソコソコ」などと誤解されそうなことを口走る。
プロではないので指はすぐ疲れる。拳や肘を使いながら10分あまり。
私が音を上げて「もうおしまい」で終了。

この前旅行に行った時、「テニスボールを持って行ったら腰や足裏のマッサージにとても良かった」というので、「テニスボールでやれば」というと、「ダメ!人間の手が最高!」とのたまう。

特に私のがいいらしい。
長年連れ添っているので「痒いところ」じゃなく「こってるツボ」がわかっている。
プロには言えないわがままも言える。
その上なにより「お金がかからない」のが一番いいらしい。

「あ~気持ちよかった。お父さんの手が一番ええわ。ありがとう」
そう殊勝に礼を言われるとまんざら悪い気はしない。

「ひょっとしたら俺はマッサージの天才、ゴッド・ハンドかも?」
だがまだ人のカミさんで試したことがないので「才能」は証明されていない。

つまり、今のところ「タダ」の「オット(夫)・ハンド」でしかないのである。

コメント

コメント(2)

  1. 模範的主婦

    ふぅ~ん(* ̄m ̄)

    世の中には優しい貴重品のようなご主人様がいらっしゃるのですね~(^O^)

    私は30年以上ほとんど毎朝主人の肩を叩いてきましたが、指圧やあんまなどやってくれたことはありません(´;ω;`)

    でも終わった時に「ありがと・ありがと」と言ってくれるので、まぁいっかo(^▽^)o

    返信
    • KEI

      オット・ハンド育てるのも枯らすのもあなた次第?

      たまには水をやってください。

      返信

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