1999 アメリカンロッキー6

by ハッチョ

アメリカ
アメリカは広い。とんでもない広さだ。
飛行機で移動してもこれだけ広いのである。
車で走ったくらいでは何時間たっても風景は変わらない。

(今回の写真は旅行と関係ありません)

空から見渡した真白いソルトレイクさえ日本人には一つの国程に見える。
豊かな大自然と広大な農地は他国からみれば垂涎ものだろう。
この広大な大地の上に広がる空もまた、青く無辺の夢のようである。

国土や自然環境が国民性に大きな影響を与えるのは間違いない。
無邪気ともいえる大らかさと傲慢さ、優しさと裏腹のおせっかい、自由であり保守的でもある。
フロンティアスピリット、独立心。良くも悪くもアメリカ人らしさを作り上げたのは、この国土だ。

それが羨ましいとは思はない。
日本はこの国と比べれば狭く資源も乏しいが、
豊かな森と海に囲まれたその恵みは、なにもかもが瑞々しく美しい。

その海に囲まれた日本は、世界に例のない安定した国家を可能にした。
狭い国土に驚くほどの人口を抱え、高い教育水準をもたらし、格差の少ない社会をもたらした。

教育水準の高さゆえに、この島国の人は常に内省的になりがちである。
それ自体は悪いことではない。わが国ではあらゆるものに「~道(どう)」と名付け、修養の内に自己との対話を欠かさない。
ただ戦後の日本は委縮して、心ある他国人からみれば、
なんとも不思議な「自虐史観」を持つ理解しがたい国になってしまったように見えるだろう。

はっきり言おう。日本は捨てたものではない。
いや客観的に見れば、あらゆる事情を加味しても日本人は世界に向かって胸を張っていいのだと思う。

コロラドの空の青さは心にしみた。若き日の思い切なく、妙に感傷的になってしまった。
へたくそな散文詩風の文章を書いたせいで、気恥ずかしくてしばらく筆が止まってしまった。
自分もまた内省的な日本人であることをあらためて自覚しながら、この編を終了します。

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