日米同盟の危うさ

米国は日本の同盟国ではあるが、果たして米国から見て日本は中国以上に重要視する同盟国足りうるのだろうか・・・。日米同盟は中国の経済大国化による米中経済協力の前に打ち捨てられるのではないか?

そもそも同盟などその時の状況でどうにでもなるもので、ソ連のように日本敗戦間際に一方的に破棄して攻め込む火事場泥棒さながらの同盟さえある。

米国でさえ、米ソ冷戦の頃、中国とソ連が敵対したとみるとすぐニクソン大統領は中国に飛んでいって手を結ぼうとした。日本はおいてけぼりである。
いわゆるニクソンショックである。
米国には歴史的に日本をただの中国への橋頭堡と軽視する中国偏重派がいるのだ。キッシンジャーなどその最たるもの。この手の米国人は中国を重視するゆえに相対的に日本を軽視する。いや蔑視するといっても良い。
太平洋戦争末期の東京大空襲と二度にわたる原爆投下はナチスに劣らぬホロコーストである。
米国はそれを糊塗する為に「東京裁判」という形ばかりの法廷とも言えぬ「茶番のような非合法リンチ裁判」をでっちあげ、日本を「非人道国家」とする歴史を捏造することによって「米国の人道上の罪」を日本に転嫁した。

このでたらめな「東京裁判」の存在の延長上に中韓の歴史捏造が存在するのだ。日本を軽視する米国は経済の面においても非常に傲慢且つご都合主義の日本バッシングを平気で繰り返してきた。
最も最近ではトヨタ車リコール問題である。
自国の自動車産業を保護するため、子供騙しの事故報道を繰り返した。全米中にトヨタ車の欠陥をテレビで放映し続け大規模リコールでトヨタ車の信頼を失墜させ販売台数を奪った。

後に「トヨタ車に欠陥はなかった」と発表したのはトヨタ車の販売台数を減らし自国自動車産業の復活にめどをつけてからだった。
このような大国エゴむき出しの米国であるが、その一方で平常時は無邪気とも思える正義感を持つ気のいい隣人であるのも事実なのだ。
いやそのように様々な意見を持つ者が存在する自由のある国が米国なのだろう。

その点は戦後日本人も同じである。
ただし日本の中の様々な意見を持つ人というのは、東京裁判などで押し付けられた「非人道国家日本」という言葉を信じ「二度とそのような日本人になるまいと懸命に日本人でないところの”良い”日本人を演じつづける」左翼思想を持つ人たちのことであり、彼らは日本を嫌うと同時に自由主義帝国アメリカをも敵視するグループである。日本とアメリカには双方に自由と多様性があり、戦後長く協力・同盟関係を維持できてきた。
歴史的イデオロギーの対立時期及び日本の持つ地政学的重要性が日米の利害において一致したのであろう。

日米同盟はかなりうまくいった同盟関係である。
しかしいま日米同盟がかつてない危機を迎えているように見える。異形・異質の共産中国が「漢民族の栄光を取り戻す」とアナクロニズムなスローガンを掲げるなか、日本は米国との同盟の更なる深化を図らなければならない。

それには歴史問題の根本にある「東京裁判史観」の見直しを米国に慎重に働きかけなければならない。
米国人の抱く中国へのイメージが、根本的に間違っていることを教えなければならない。

中国は建国60年の幼い国家。中華の地栄えた幾多の王国のうち、最も遅くやってきた漢民族の王朝でしかないことを教えなければならない。現在の中国と中華の悠久の歴史を混同してはならないことを。


もう一点、日本の問題は、イデオロギー闘争の終わった今でも日本社会に残る唯物史観的な人間観です。
「人間の命に最高の価値、つまり人間を神と見る」間違った世界観です。共産主義国家では必ず大虐殺が生じています。
ロシアのスターリン、中国の毛沢東、カンボジアのポル・ポトは自国民を大量に虐殺しました。なぜでしょう。
唯物史観で目に見えぬ権威(内なる権威)を否定した唯物論において、目に見える価値は人間、特に自分しかないのです。その最高に価値のある自分が最高指導者になったとき「自分を神」とみなすようになり、残虐さに気づかぬ独裁者になるのです。

米国に息づく「誤った日本歴史観」と日本に根をおろしている倒錯した人権主義がそれぞれの国が乗り越えなければならない壁なのです。

今この時代の歴史を築くのに、自分たちの抱える問題を乗り越えようとせず遠い理想を持ち出して相手を非難してもなにも生まれません。日本と米国は将来のために、今のうちに忌憚のない意見を交わせる同盟を堅持するための中核となるシステム・強固な組織を設置するべきです。

現在の中国は「核戦争」をちらつかせ世界を恫喝する北朝鮮と本質的に同じです。
中国が世界と共存する道に目覚めるにはまだまだ時間がかかるでしょう。
日米が何もしなければ東アジア・東南アジア・中央アジアは中国の驚異のもと中国化するか紛争を抱えるか、いずれにしろ不安定化するでしょう。
日米同盟をさらに強固にすることでしか、アナクロニズムの中国に彼らの過ちを見直す機会を与えることはできません。もしそれができなければアジアは無秩序で利己的な中国化による衰退の道をたどるでしょう。

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