電王戦 コンピューターVsプロ棋士

プロ棋士とコンピューターが対決するニコニコ動画主催の五番勝負「将棋電王戦」
1勝2敗で後がなくなったプロ側は塚田泰明九段。
これまでの3局でコンピューターの強さはよくわかった。特に第3局若手の実力者船江騎士が負けたときプロ側は敗北を覚悟したでしょう。

第4局は相矢倉からコンピューターが先行。
解説の木村八段「プロの感覚では無理筋。これが通じるならプロは根本的に考えなければならない」と断言。
ところがこのコンピューターの責めに塚田九段は大いに苦しむ。コンピューターのアルゴリズムによる将棋はプロ棋士の将棋観を変えるっことがはっきりした。

差はどんどん開きプロ側は入玉しかのぞみがなくなる。
ただこの入玉はある意味最初からプロ側の最終手段でもあったようだ。

だが入玉は出来ても自陣のコマ数の差が大きくほぼ絶望的。普通の棋戦ならとっくに投了してる将棋。
ニコニコ動画の書き込みにも塚田九段に対する辛辣な書き込みが増える。解説の木村八弾も「これはもはや将棋ではないです」と半ばやけっぱち気味の解説。

しかし塚田九段は投げない。絶望的な状況で指し続ける。勝ち味のない将棋を延々と続ける塚田九段に悲壮感が漂う。
「辛いだろうなあ」

ところがそれまで塚田九段の玉を責めていたコンピューター側が詰み筋が見えなくなったのだろう突然入玉を目指す戦法に切り替わった。その途端にコンピューターの指し手に意味不明の手が続く。
やはりコンピューターには相入玉・持将棋のルールは組み込まれていてもその判断アルゴリズムは人間と程遠いレベル。
その隙をついて塚田九段が猛反撃で持ち駒を増やす。
230手を持って執念の塚田九段の負けがなくなり持将棋引き分け。

ドラマは局後の感想戦。
感想を聞かれた塚田九段、「自分の方からは絶対投げるつもりはなかった」と感極まって嗚咽を漏らす。苦しかったんだろうなあ・・・
将棋は人間の考案したもの。コンピューターの強さは人間の作り出したもの。
しかしやはり人間はコンピューターに負けない力がある。それを今日塚田九段は証明してみせた。

塚田九段よく頑張ってくれました。感動しました。途中で「投げたらいいのに」と思った自分を恥じました。
画面に流れるコメント「カッコ悪すぎてカッコよかった」がぴったり。
これで最終戦に三浦九段が勝利すれば引き分けです。最終戦楽しみです。塚田九段ありがとう。

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