トヨタ車暴走?携帯で生中継? 嘘発覚!

by マミコミ

ちょっと古い話ですが前のサイトに書いたコラムです。(2010年5月)

トヨタ車のリコール問題には大いに疑問があります。
最初の報道はアクセルペダルが戻らず加速を続け大事故を引き起こした件。後部座席で死亡した 家族が電話で中継し、その音声がマスコミ報道されるという、極めてセンセーショナルなニュースであった。それ以前にも非正規品のフロアーマットがアクセル に引っ掛るという問題もあったがトヨタに本当に責任があるのか微妙な問題。訴訟社会のアメリカでこそ問題になるケース。

 

それにしても不思議なのは
「アクセルで加速している状態でブレーキを踏めば車は減速するのか加速するのか?」という疑問。(自動的に ブレーキを踏めばアクセルが利かなくなるというブレーキ優先方式もあるようだがトヨタは”アクセルとブレーキを同時に踏むことはない”ということで一部の 車種以外そのシステムを採用していなかったという。)
走行中アクセルを吹かしても同時にブレーキを踏めばスピードは減速するのではないのだろうか。知人のカーディーラーに質問すると即座に「減速します」との答え。ブレーキには当然それだけの制動力があるのだろう。
「ブレーキを踏んでも踏んでも加速をした」というのは真実なのか?
「ブレーキとアクセルを踏み間違えていた」のではないのか?

 

この件ではもっと不可思議な疑問もある。
何人も乗っていて、電話で報告することが出来たのなら「なぜ誰もシフトレバーをニュートラルに入れるかサイドブレーキを引くよう指示をしなかったのか?」ということである。事故の中継電話を聞いた人でも指摘できたかもしれない。
恐 らく全員パニックになって冷静な判断が出来ない状況だったのだろうけれど、それならなおさら”ブレーキとアクセルの踏み間違い”という人為的ミスを検証す べきだろう。通常ならまず人為的ミスを真っ先に検証するべき事故状況ではないのか。今回の問題で未だその辺の検証がされたという報道は聞かない。

 

アメリカにとって、雇用のすそ野の広い自動車産業の復活は重要な課題だろう。多額の負債を抱え実質的に国有企業になっているGMの再建も急 務。しかしその為に外国企業を陥れるようなことがあればゆゆしき問題であり、一種の保護貿易主義政策といえる。自由主義陣営の旗手「大国アメリカ」の名が 泣くというもの。
今回の件はまだ結論が出るまで時間がかかるだろうけれど、余りにエキセントリックな報道や政治家の対応は、同盟国アメリカの存在や関係そのものに懸念を抱かざるを得ない。

それにしてもお粗末なのは民主党。政府内の誰もこの問題を国家的重要問題と捉えていないのか閣僚の誰一人まともにコメントをしているように見えな い。アメリカ当局と情報交換をしているという話さえ聞かない。選挙目的の無理な”ばら播きマニフェスト”にばかりかまけて、国家の財産ともいうべき優良企 業トヨタを見殺しにしたのではないか。
これまで我が国は他の国が驚くほど内省的で、”自虐的”と揶揄されるほど自らの非を改め反省するに躊躇しな い。どれほど証拠を突きつけられても絶対謝罪しようとしないような国(民)ではない。もし今回の問題でトヨタ側に非があれば国家としても原因解明・指導を するべきだろう。その為にも事故の真相をアメリカ側に問い質し、疑問があれば(大いにあるのだが)共に解明するという要請を迅速に行わなければならなかっ たと思う。今からでも遅くはない、堂々と事故の資料を請求するべきだろう。
鳩でもカモでもチキンでもアホウドリでも何でもいい。日本人が堂々と自分の国に誇りが持てるような外交と交渉をしてほしいものです。

 


 

と云っていたら、早速「トヨタ車ブレーキを踏んでも加速は狂言」さらに「ABC放送のトヨタ車急加速実験は嘘・やらせ」とのニュースが飛び込んでくる。
「狂言」は先に取り上げた事件とは別のものであるが、これも自分の携帯で「ブレーキを踏んでも加速が止まらない」と報告してきた男性の不自然さに警察が狂言と断定したもの。
さらにABC放送は「走行中のトヨタ車のアクセルが戻らず加速し続ける映像」を流したが、トヨタ側の「映像から判断すると停車中」との反論に、今さら誤魔化しようのない悪意の報道映像に自縄自縛となり、とうとう自ら非を認め嘘の放送をしたことを認めたもの。

 

“呆れて開いた口がふさがらない”なんて言わない。「やはりそうであったか」と云おう。
これは薄々世界中の人が感じていたことなのだろう。当のアメリカ人さえ同じ感想を持っていたらしく、その後アメリカの中からも様々な形でトヨタリコール問題に疑問を呈しトヨタを擁護する動きが出てきている。
しかし日本人よ!騙されてはいけない。私はこれらの動きも当初から計画されているものではないかと想像している。
余 りにお粗末な内容であるが、トヨタ車の欠陥をアクセルから始まって次にブレーキへと矢継ぎ早の計算しつくした非難報道でトヨタは充分たたきのめされた。信 用は当分回復できない程失墜したのだ。シェアは一割も落ちて販売台数首位の座を滑り落ちた。リコールに掛かる莫大な費用を余儀なくされている。尻馬に乗っ て中国までが無理難題を吹っかけている。

 

つまり彼らは完全に目的を果たしたのである。大声で怒鳴りつけてトヨタを優良企業の座から追い落したのだ。その目的を果たした今、手のひらを返したようにトヨタ擁護に回ってみせ、日本の頭をなでて飴玉をしゃぶらせているような気がしてならない。
なぜなら莫大なアメリカ国債を保有し購入する日本は未だ彼らにとって重要な同盟国であることは変わっていないのだから。完全な日米関係の破たんなんてアメリカ自身多くのリスクを背負う危険な状況なのだ。

 

しかし今回のことで一方的にアメリカの行動を「悪」とは言えない。本来外交とは”自国民とその利益を守ることを第一義に考え行動する”そういうものなのだと思う。
日本の明治以降の先人たちがこのような世界へ乗り出し、敗戦を乗り越え日本を一流国家へと導いたことは誠に奇跡に等しい。その努力を無駄にしてはならない。
アメリカとの関係をどう構築するかは日本にとって常に最大の外交課題なのだ。

エキセントリックに逆上し対立する必要はない。肝心なのは「言うべきことをはっきり言う」ということだろうと思う。
トヨタは”偽の実験映像”を流したABC放送を告訴し徹底的に争うべきなのだ。
もしそれが出来ないということであれば、当然世界の目は「トヨタ側には公にできない不都合な事情を抱えている」と判断するだろう。
世界に認められた日本製品の品質の優秀さが問われる事態は避けなければならない。
ほうっておけば次々と同じような問題が起こり日本の産業は壊滅する。
靖国問題、南京虐殺、従軍慰安婦などの日本批判も結局は同じだった。事実関係を検証する以前に「なにも言わない・反論しないから日本は非を認めた」という論理で、誤った認識が事実化して行く恐ろしさは嫌というほど味わってきたはずである。
(もう戦争状態はとっくに終わっているはずなのに、「いつまでも日本を理不尽に貶めようとするのはアメリカ、中国、韓国、朝鮮、ロシアという太平洋戦争に関係した国々のみである」という状況はあまりにも異常過ぎるのではないでしょうか。)

コメント(1)

  1. admin

    投稿者 Pogi 日時 2010年05月12日
    おっしゃっていることは全て正論だと思います。

    本題からはそれるかも知れませんが、それにつけてもアメリカを代表する基幹産業の大手自動車会社と競争して同業者を打ちのめした、トヨタさんの方にも同義的な何かを感じます。

    トヨタの社長様にはアメリカでの売り上げが2位か3位になれば「それでえー!それ以上売るな」というような配慮があっても良かったのでは無いでしょうか?

    私は「そんな了見だからおまえは出世しない」と言われそうですが..。
    投稿者 管理者 日時 2010年05月12日
    コメントありがとうございます。
    ある先輩から聞いた様に思うのですが、「”SONY”は米国人の大半がアメリカ企業だと思っている」と言いますから、おっしゃる通り”TOYOTA”もその辺の努力が少し不足していたのかもしれませんね。

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