『歴史認識』にかいま見る恐怖

「ムーブ・ザ・ゴールポスト」。ゲームの途中でゴールを動かす(ルールを変える)。
元外務省官僚で評論家(現:立命館大学客員教授、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)である宮家邦彦氏が、米国に出張し、連邦議会議員を含む多くの議会関係者や外交問題専門家と意見交換した時の話。

「ムーブ・ザ・ゴールポスト」

●1945年、日本は「生まれ変わった民主国家」として再出発した。
●1965年、長い交渉の末に韓国と基本条約を結び、請求権も含め懸案を処理した。
●1995年には村山談話で戦争と植民地支配に対し「心からのおわび」を表明した。
●日本国民から集めた償い金を女性たちに届けるべくアジア女性基金まで立ち上げた。
●ドイツの謝罪はホロコーストに対するもの。フランスはアルジェリア戦争・植民地化を謝罪しただろうか。
●1945年以来70年近く、日本が行った努力はかくも丁寧、かつ真摯(しんし)なものだった。
●フットボールで言えば、50ヤードも前進したのに、ゴールポストは逆に遠のいた。
●心ある多くの日本国民が中国や韓国との関係改善を望んでいることは間違いない。
●同時に、多くの日本国民は、韓国や中国がゴールポストを動かし、日本のゴールを永久に認めないのではないかと心を痛めているのだ。

この主張を聞いたある米国政府関係者は、「こんな説明を聞いたのは初めてだ」とまで言ってくれた。
図らずも今回の出張は、対米情報発信がいかに重要かを再確認する旅となった。___///

この記事を書かれた宮家氏に何も罪はない。主張は的を得た立派なものである。
しかしこの記事を読んで暗澹たる気分になった。

<<この当然の主張を、これまで日本政府も外務省も全くしてこなかったのだ>>
このことに、『怒り』ではなく『恐怖』を感じる。

この国のマスコミは、何故自ら体に傷つけるような行為から日本を救わなかったのだろうか?
この国の政治家と官僚は、何故かくも明らかな事実を口にすることを恐れてきたのだろうか?

この国を覆っているのは、「不抜けた薄ら笑いのような仮面」の下の、一見善良さに似てはいるが、人間としての基本的な権利まで、卑しい欲望のように「否定してみせる」偽善者の心である。

昔日の日本にこのようないやらしさはなかった。
一体この薄気味悪い生き方はいつ頃から始まったのだろう?
戦後であることは確実であるが、誰がこの国に広めたのだろうか?
『一億総白痴化』 と喝破した慧眼の持ち主ももういない。

 

コメント(2)

  1. 温厚な爺さん

    似たようなものとまでは言いませんが、朝鮮の歴史学博士の白宗元さんの投稿を読んで見ると、私のような歴史にうとい者には『朝鮮が米国との関係改善を望んでいるのに、平和協定への転換を望む朝鮮の度重なる提議を米国は拒否し続けた』
    『この60年間、朝鮮は米国の絶え間ない核の脅威の下にされされてきた。その精神的苦痛と経済的な損失は計り知れない』
    のくだりはあながち真っ赤な嘘でも無いように思えたり、米国が韓国に騙されて言いなりになっているようにも思えます。

    http://chosonsinbo.com/jp/2013/07/0719mh-03/

    返信
  2. KEI

    南朝鮮も北朝鮮も同じ民族ですから考えることもやることも全く同じです。

    常に大国の庇護の元でしか生きてこれなかった民族が、独立はしたものの、

    東西冷戦の綱引きで北と南、共産圏と自由主義陣営に分断されました。

    中国・ソ連に支えられた北と米国の庇護を受けた南。誰のせいでもありません。

    これまで北朝鮮はアメリカに何度も空手形を切って支援を取り付けましたが、

    その度に不渡り(約束不履行)を繰り返しました。金王朝を持続するためです。

    北朝鮮の現状は王様のせいですから自業自得ではないでしょうか。

    南は「これが最後」と言いながら『慰安婦』をだしにいつまでも日本の懐に手を突っ込みます。

    返信

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