決断できない日本 ケビン・メア著

by 憂国

「沖縄はゆすりの名人」と発言したという共同通信のスクープで辞任に追い込まれた米国務省の元日本部長、ケビン・メア氏著「決断できない日本」を紹介します。

東日本大震災の直前に「日本人はゆすりの名人」発言疑惑で更迭されたメア氏はこの本で、
1)3.11東日本大震災時の日本政府の対応
2)ゆすり発言事件の真相
3)日本政府の政治家と官僚の抱える問題
4)沖縄の特殊性
5)日米同盟の本質
について述べています。

ゆすり発言はひどい事件です。左翼の護憲市民派の女性弁護士と共同通信社の記者が仕組んだ、まことに卑劣極まりないねつ造事件である事がよく判ります。
メア氏はこの件について名誉棄損で告訴するべきでしょう。この本を読めば彼がどれほど日本人と日本文化を愛しているかよく判ります。未だ告訴に至っていないのは、この本によってどれほどご自分の名誉が回復されるかを見定めるつもりなのではないかと思います。

大震災における政権政治家の狼狽無策ぶり、官僚の責任回避体質による混乱、沖縄の基地反対をめぐる反対派住民とマスコミの利権に絡む複雑さ、日本人全体が未だに理解しえていない日米同盟としての安保条約、左派言論人の非武装中立とい幻想。

これらの問題を様々なエピソードを交えて語るその言葉は、世界を俯瞰しうる超大国の外交専門家らしく、的確な状況判断に基づき緻密かつ現実的で正鵠を得たものです。

それでも彼の言葉は、明確な主張をしながらも、日本の文化と伝統をよく理解しこよなく愛する一流の外交官として、抑制が利いていて素直に耳を傾けられるものです。

日本のマスメディアがよく取り上げる、中国や韓国のヒステリックで尊大でゆがんだ歴史認識で、無理やりに本を貶めようとする発言とは全く違うレベルのものです。

よく左翼言論人や市民運動家の非現実的な意見を「非現実的理想論」と非難することがありますが、実は彼らの主張するものは「理想論」などと呼べるべきものではなく、歴史・現実・人間性に関する洞察を欠く、ただの「非現実的暴論」にしか過ぎないことがよく判りいます。

日本政府は「ゆすり発言」を真に受けてメア氏を非難したままです。
メア氏の主張に耳を傾け事実を確認して、彼の名誉を回復する義務があるのではないでしょうか。

コメント(1)

  1. 50代良妻

    私の夫はしょっちゅう【本当の事】を言っては人様に嫌われたり友人を失ったりしてしまいます。

    一緒になりたての頃は私が「そんなこと言いなはんなや!」と逆らってよく口喧嘩もしましたが、今では諦めています。

    うちの亭主と違ってケビン・メア氏のような頭の良い人は、解っていて意識的に失言めかして【本当の事】を発言するのではないでしょうか?。

    日本の閣僚の出まかせでたらめ失言とは根本的に異なると思います。

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